Department of Central Clinical Laboratory, Osaka Metropolitan University Hospital
大阪公立大学医学部附属病院 中央臨床検査部
 

 生化学検査室 免疫血清検査室 血液検査室

 生理検査室  微生物検査室  一般検査室    

 輸血部 病理部



生化学検査室

 生化学検査は採血した血液や尿などに含まれる様々な化学成分を専用の分析装置で測定し、患者様の栄養状態や炎症の有無を判断するための検査であります。主な検査項目は下記をご参照ください。一部の項目は緊急検査として24時間体制で検査を実施しています。

   
写真:主な分析装置

<主な検査項目>             
肝機能検査:AST、ALT、ビリルビン、ALP、γ-GT など
腎機能検査:尿素窒素、クレアチニン、電解質(Na, K, Cl) など
栄養状態:総蛋白、アルブミン、ChE など
脂質検査:総コレステロール、中性脂肪、LDL-C、HDL-C
糖尿病関連:血糖、HbA1C、グリコアルブミン


免疫血清検査室

 免疫血清検査室では免疫反応(抗原と抗体が結合する反応)を利用して、感染症検査やホルモンなどの微量な項目を測定しております。また、免疫電気泳動や抗核抗体といった用手法検査もおこなっております。


写真:主な分析装置

<主な検査項目>
ウイルス感染症検査:HBV関連、HCV抗体、HIV抗体 など
ホルモン検査:甲状腺ホルモン、性ホルモン など
心疾患マーカー:BNP、トロポニン など
腫瘍マーカー:AFP、CA19-9、PSA など

(2018年5月18日更新)

血液検査室

 血液検査室では、貧血や炎症などを知るために重要な血球数算定(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数)、造血能を反映する網状赤血球比率、細胞の形態に異常がないかを観察する白血球分類、血液の止血能力を知るための凝固線溶検査、血小板の働きを調べる血小板機能検査、血液疾患の中でも特に白血病が疑われたときに重要な骨髄検査、細胞の種類を知るための特殊染色、細胞の起源を知るためのリンパ球サブセット検査、造血幹細胞移植の際に用いる幹細胞採取時のCD34陽性細胞数測定、などの検査を7名のスタッフで行っています。
 当院での検体数は、血球数算定検査が約1000件/日、凝固線溶検査が約300件/日あります。検査結果を正確かつ迅速に報告するために、自動分析装置にて測定を行っております。検査室に検体が届いてから、血球数算定検査は平均20分、凝固線溶検査は平均40分前後で結果を報告することを目標にしています。また白血球分類では自動分析装置にて目視が必要と判断された場合、血液を塗抹・染色して標本を作製し、約300枚/日の標本をスタッフが1枚ずつ顕微鏡で観察して、異常な細胞が出ていないかを確認し報告を行っています。骨髄検査は有核細胞数・巨核球数の算定、細胞分類を行い、まず検査技師が所見をつけ、担当医と確認のうえ最終報告書を作成します。特に白血病が疑われた場合などは我々検査技師の判断で適時必要な特殊染色を追加で行い、迅速に診療に役立つ情報提供が出来るような体制をとっています。


写真:血球数算定検査機器


写真:凝固検査機器

 細胞の観察や分類をすることは個人の力量に左右されることが多いので、精度向上のために毎月1回血液内科の医師たちと合同で骨髄カンファレンスを行っています。大型ディスプレイに顕微鏡画像を映し、実際の標本を動かしながらひとつひとつ気になる細胞の分類を行い、紛らわしい細胞の見分け方などについてディスカッションしながら、疾患や患者様について情報交換をしています。


写真:ミーティング風景

 ISO15189認定取得後は、特に形態検査に関するスタッフの教育に力を入れており、末梢血・骨髄・穿刺液の各分野について担当を決め、毎月1回形態サーベイを行いスキルアップを目指しています。また、当院は骨髄移植を積極的に行う施設であるため、ドナー様から提供される骨髄を全国各地の病院まで受け取りに行き当院まで運搬するという業務も我々検査技師が担っています。
 ISO15189認定取得後は、さらに正確で質の高い情報提供が出来る検査室を目指し、チーム医療の力強い一翼となれるよう、これからもスタッフ一同切磋琢磨しながら努めてゆきます。

生理検査室

 生理検査とは患者さんに直接接して行う検査です。検査内容としては心電図検査、超音波検査、呼吸機能検査、脳波検査、神経伝導速度検査などがあります。3階20番と3階21番で行っています。

3階20番(生理検査受付(心臓超音波))
@心電図検査室
(1) 心電図検査
 心臓の活動によって発生する電気的興奮を記録する検査です。胸部・手首・足首に電極をつけて記録します。不整脈や心肥大、狭心症、心筋梗塞などがわかります。
 検査時間は5〜10分です。


(2) ホルター心電図検査
 不整脈や虚血性心疾患などの評価を目的に、心電図を最大24時間記録する検査です。胸に電極シールを貼り、小型の記録装置を携帯した状態で24時間日常生活を送っていただきます。第一日の電極の装着および説明に15〜20分、装着から24時間後(第二日)の記録状態の確認および電極の取り外しに5分程度要します。

(3) 血圧脈波検査
 両腕・両足首の血圧と脈波を測定することで、足の血管のつまり具合や血管の硬さ(動脈硬化)の程度を評価する検査です。
 検査時間は5〜10分です。


A心臓超音波検査室
 弁膜症や虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、心筋症などの評価を目的に、胸にゼリーをつけて、心臓の大きさや動き、血液の流れなどの観察を行います。
 検査時間は15〜30分程度です。


B呼吸機能検査室
 マウスピースを口でくわえ、鼻をノーズクリップで止めた状態で検査を行います。息を吸ったり吐いたり、止めたりすることで肺の大きさ(肺活量)や気管支の異常、ガス交換の効率性などがわかります。
 検査時間は項目にもよりますが、簡易検査であれば10分程度、精密検査であれば20〜40分程度です。


C脳波検査室
 脳波検査とは脳の電気活動を波形としてとらえる検査であり、電極をクリーム状のペーストを用いて頭に装着し行います。
 検査時間は約60分(電極装着時間、洗髪時間含む)です。


D筋電図検査室
 筋電図検査では手や足の神経に電気刺激を加え、その刺激が伝わる速度などを計測する神経伝導速度検査を行っています。
 検査時間は検査を行う神経数によりますが、30〜60分程度です。



3階21番(超音波検査受付(心臓以外))
@腹部超音波検査
 主に肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓の大きさや形態、腫瘍の有無を調べる検査です。肝硬変の程度や肝癌、胆石、膵臓癌などがわかります。お腹にゼリーをつけて検査します。絶食が必要であり、午前に検査の場合は朝食を、午後から検査の場合は朝食は早めに済まし昼食を控えていただく必要があります。検査時間は10〜20分程度です。


A体表超音波検査
 主に乳腺や甲状腺、周辺のリンパ節の観察を行い、腫瘍の有無や甲状腺の大きさ、リンパ節転移などを調べる検査です。乳房や首周囲にゼリーをつけて検査します。
 検査時間は10〜20分程度です。

B頸動脈超音波検査
 動脈硬化、血管炎、血栓などの評価を目的に、首の動脈を超音波を用いて観察する検査です。ゼリーを首につけて、血流やプラーク、壁肥厚、血栓などを評価します。 
 検査目的によりますが、検査時間は20〜30分程度です。

C下肢動脈超音波検査
 下肢閉塞性動脈疾患、動静脈瘻などの評価を目的に、足の動脈を超音波を用いて観察する検査です。ゼリーを足につけて、血流やプラークなどを評価します。
 検査目的にもよりますが、検査時間は20〜30分程度です。

D下肢静脈超音波検査
 下肢深部静脈血栓症や下肢静脈瘤などの評価を目的に、足の静脈を超音波を用いて観察する検査です。ゼリーを足につけて、血栓や血流などを評価します。
 検査目的にもよりますが、検査時間は20〜30分程度です。

E腎動脈超音波検査
 腎血管性高血圧症や腎機能の評価などを目的に、腎臓の動脈を超音波を用いて観察する検査です。ゼリーをお腹につけて、血流や腎臓の大きさなどを評価します。
 検査時間は20〜30分程度です。

F関節超音波検査
 主に関節リウマチや脊椎関節炎といった関節炎の病態評価を行います。手指・手関節・肘・膝・足趾など全身の関節の腫れや炎症の程度を評価します。
 検査時間は観察する関節数によりますが20〜40分程度です。


平衡機能検査(病院2階耳鼻咽喉科外来検査室にて実施)
 めまいやふらつきなどを主訴とする方に、眼振検査や重心動揺検査、温度眼振検査を行っています。
 検査時間は検査項目数によりますが、簡易検査は約15分、精密検査は約90分です。


微生物検査室


 微生物検査室は現在医療安全センター感染制御部(https://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/departments/58-kansenseigyo.shtml)に所属しており、感染症に関する検査について担っており、臨床と密接に連携しております。実施検査内容は尿や喀痰などの様々な材料から病原性のある菌が存在するか、またその菌に有効な薬剤を調べています。院内感染対策関連業務については、環境検査や分子疫学解析を実施し、院内感染対策強化に寄与しています。

@一般細菌検査(塗抹検査、培養同定検査、薬剤感受性検査)、
A抗酸菌(結核菌など)検査
B迅速検査(インフルエンザ、マイコプラズマ、肺炎球菌、クロストリジウム など)
C遺伝子検査(新型コロナウイルス、抗酸菌検査)
上記の検査を8名のスタッフでおこなっています。
最終結果報告までに、一般細菌検査では数日から数週間、抗酸菌検査では数週間から数か月を要します。迅速検査、遺伝子検査は検体を採取したその日に結果を知ることができます。

塗抹検査

検査材料をスライドガラスに薄く塗り、染色をおこないます。一般検査ではグラム染色で菌を染めます。顕微鏡を用いて、どのような菌が存在するのかを染まり方や形から推定します。
抗酸菌検査では蛍光染色、チールネルゼン染色をおこない、検体処理から鏡検まで約1時間を要します。



         

   グラム陽性菌             グラム陰性菌        チールネルゼン染色
                                      (陽性像)   

培養検査(菌の同定、薬剤感受性)         

検査材料を培地に塗り、孵卵器に入れ菌を肉眼で観察できるように発育させます。発育する培地やコロニーの形、色から菌の推定をおこないます。
菌の同定には自動細菌検査装置や試験管培地を用いています。薬剤感受性検査は一定濃度の菌液を作り、薬剤が存在する中で培養をおこないます。
後日、発育の有無を観察します。



(2022年7月19日更新)

一般検査室

   一般検査室では尿・便などの検査を行っています。尿や便は患者様にとって採取の負担が少なく、日常診療にお
  いて一般的に行われる検査です。
  <尿検査>
  ・尿定性検査
    試験紙を用いて、尿中に出ているタンパク・糖・赤血球・白血球・細菌などを調べます。
  ・尿沈渣
    尿を遠心してできた沈殿物を顕微鏡で観察する検査です。
    赤血球や白血球、円柱、腎臓や膀胱由来の上皮細胞が出ていないか確認します。
    尿が腎臓でつくられ尿路や膀胱を通過して排泄される間に、剥がれ落ちたり混入したものを調べることで、腎
    ・泌尿器系疾患の病態を推測することができます。
    円柱とは腎臓で作られるタンパク質が固まったもので、この中に色々な物(赤血球や白血球や上皮細胞)が含
    まれると腎臓で障害が起こっていると考えられます。
  ・尿中化学
    尿中のタンパク質やクレアチニン、アルブミンなどの様々な項目を定量測定します。



  <便検査>
  ・便潜血
    便中に血液が含まれているか調べる検査です。陽性の場合は、下部消化管の出血が考えられます。癌、腫瘍な
    どの病変の可能性があります。大腸癌のスクリーニングに有用な検査です。
  ・便中ピロリ菌抗原
    ピロリ菌の検査の一つで、便中のピロリ菌の有無を調べます。

  検便についてのお願い
  ・同封の説明書の注意事項をお読みになってから採取してください。
  ・採便後、当日お持ちになれない場合は冷蔵庫に入れて保管し、5日以内にお持ちください。


  <髄液検査>
    髄液は、脳や脊髄の周囲を満たしている体液です。
    白血球の数や種類、糖やタンパク質の量を調べることにより、髄膜炎の原因や程度について調べる検査です。

(2018年1月17日更新)

輸血部


下記URLをご覧ください。
http://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/departments/51-yuketsu.shtml

病理部



下記URLをご覧ください。
http://www.hosp.med.osaka-cu.ac.jp/departments/43-byouribu.shtml


 


                                    

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