診療科のご紹介
小児外科
(診療科の特色)
小児外科はこどもの外科疾患を扱う部門です。内科と外科があるように小児科(小児内科)と協力してこどもの病気を手術で治療する科です。こどものための一般外科で、おとなの外科とはまったく違った小児外科疾患専門の診療科です。
(社会的ニーズ)
小児医療の重要性が改めて認識されている現在、小児救急外科疾患も含めて地域のニーズに対応できるよう努力しています。こどものための専門医として新生児から成人医療へ移行した症例にも対応します。
(今後の展望)
腹腔鏡下そけいヘルニア根治手術は細経のカメラを使用し、腹腔鏡下手術のメリットを最大限活かしています。腹部手術を臍から行い、創跡の目立たない手術を行っています。
診療(初診等)のポリシー
主に専門医療を中心とした診療を行っていますが、対応している疾患で早期発見、早期治療が必要な場合もあるため、症状によっては紹介状(診療情報提供書等)がなくても診療を行っています。
外来受付
・受付場所・・2階12番(TEL 06-6645-2351)
・診察受付・・9:00〜10:30
・診療時間・・9:00〜16:45
※初診のときは、外来診察担当表をご確認ください。
※ただし、受診される日が休診や手術などにより、お待ちいただくことがありますのであらかじめお電話でお確かめください。
スタッフ紹介
氏 名 |
専門分野・担当 |
中岡 達雄
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小児外科、新生児外科、小児内視鏡手術、小児悪性固形腫瘍、小児泌尿器 |
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対象疾患
小児外科は小児科とともに小児医療の一翼を担っています。こども特有の外科的疾患を扱います。内科に対して外科があるように小児内科(小児科)に対応するチームで、おとなを対象とした外科とは違う診療科です。心臓、神経、骨を除くほとんどのこどもの外科疾患が治療の対象になります。多い病気はそけいヘルニア(脱腸)、陰嚢水腫、停留精巣、臍ヘルニア(でべそ)、急性虫垂炎、便秘があります。赤ちゃんから思春期までの手術が要るような病気を扱っています。こどもの未熟性、発育、発達そして緊急性を考慮した治療を行っており、より負担の少ない手術法として内視鏡下の手術も積極的に行っております
。
主な対象疾患 |
治療方法 |
検査・診断方法 |
そけいヘルニア |
そけいヘルニア根治術 |
超音波検査 |
陰嚢水腫 |
陰嚢水腫根治術 |
上部消化管内視鏡検査 |
停留精巣 |
精巣固定術 |
下部消化管内視鏡検査 |
臍ヘルニア |
臍形成術 |
消化管内圧検査 |
包茎 |
包茎手術 |
腫瘍生検術 |
漏斗胸 |
胸腔鏡下漏斗胸手術 |
上部消化管造影検査 |
虫垂炎 |
虫垂切除術 |
下部消化管造影検査 |
腸重積 |
腸重積整復術 |
排尿時膀胱尿道造影 |
小児がん |
小児悪性腫瘍根治術 |
腎瘢痕シンチ |
食道閉鎖症 |
食道吻合術 |
直腸粘膜生研 |
胃食道逆流症 |
腹腔鏡下噴門形成術 |
血管造影 |
小腸閉鎖 |
腸管吻合術 |
CT検査 |
鎖肛 |
肛門形成術 |
MRI検査 |
ヒルシュスプルング病 |
ヒルシュスプルング病根治術 |
腎盂尿管造影 |
胆道閉鎖症 |
葛西手術 |
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胆道拡張症 |
胆道再建術 |
瘻孔造影 |
尿道下裂 |
尿道形成術 |
肝生検 |
膀胱尿管逆流症 |
膀胱尿管新吻合術 |
メッケルシンチ |
水腎症 |
腎盂形成術 |
膀胱鏡検査 |
肺嚢胞性疾患 |
肺切除術 |
気管支鏡検査 |
肛門周囲膿瘍 |
在宅中心静脈栄養 |
利尿レノグラム |
便秘症 |
生体肝移植 |
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当科の得意分野
こどもによくある病気から特殊な技術がいる手術まで、こども専門の麻酔科医師と協力して世界標準レベル以上の安全な治療が行えます。
また漏斗胸に対する内視鏡下の手術も数多く行っています 。
紹介のポイント
(早期発見のためのポイント)
胆道閉鎖症早期発見のため新生児遷延性黄疸には血清直接ビリルビン検査あるいは採血が難しければ尿中USBAをチェックしてください。
(生後2週以降でUSBAが異常値ならば、総ビリルビン、直接ビリルビンを測定していただき、直接ビリルビン値が1.0mg/dl、
もしくは直接ビリルビンが総ビリルビンの20%以上であれば、小児外科医に紹介する。便の色が薄ければためらわずにご紹介ください。)
治療実績・理念等
大阪市立大学では1957年より小児外科診療を続けています。この間一貫して小児医療の一翼を担うべく努力を重ねて参りました。小児医療の充実が求められる現在、2003年からは大阪市立大学医学部附属病院に小児外科を標榜し、更に努力しています。
対象は出生前診断の新生児例からキャリーオーバーした成人に及びます。安全・確実な手術は当然ですが、日本における小児外科学の歴史はまだ40年を過ぎたところです。日々、診断・治療法が進歩しており、その世界の動きに遅れを取らないように情報収集にも心がけております。
手術は結果が総てです。小児外科手術の特徴は機能の獲得と維持です。不必要な手術を避け、必要最小限の侵襲で最大限の効果が期待できる術式を選択しなければなりません。そのためには当然挑戦する治療も必要となってきます。そこでわれわれは他のチームとの交流にも力を注いで、新しい治療法を安全に確実に行なえるようにしています。
小児の特徴である発育・発達をふまえた医療を心がけ、小児医療の世界への発信地にもなるべく確実・安全な小児外科を目指しています。
患者統計