
肝胆膵外科においては、肝胆膵領域の悪性・良性疾患に対して、外科的手術をはじめとして、移植、内視鏡手術などの最先端の治療法を開発・導入すると同時に、他科との協力により総合的・根本的な治療を目指して診療を行っております
(診療科の特色)
肝胆膵領域の悪性疾患は診断困難・高難度手術症例が多く、いずれも難治癌の代表といえます。肝胆膵外科においては、肝胆膵領域の悪性腫瘍を中心に幅広く診療を行っています。
肝胆膵外科領域は、これまで旧第一外科と旧第二外科で重複二分していましたが、2019年4月より診療部門を統合しました。その結果、肝切除術は約150例、膵切除術は約100例と全国でもトップクラスであり、肝胆膵悪性疾患の手術数は近畿圏内で第1位となっております。肝胆膵外科の信念は安全・高度・最新の探究と手術の低侵襲化です。抗癌剤・放射線治療を併用する集学的治療を駆使したあきらめない治療と腹腔鏡下手術による低侵襲手術の提供を目指しています。
(社会的ニーズ)
高難度手術
肝胆膵外科学会認定の高度技能専門医・指導医のもと、安全で高度な手術を行っております。一部の高難度手術は、症例数の多い施設(ハイボリュームセンター)で行われることがガイドラインで推奨されております。肝切除術・膵切除術は全国有数の手術件数です。
低侵襲手術
肝胆膵外科の手術は傷が大きいことが多く、術後疼痛は大変なものです。肝切除や膵切除においても病状に応じて腹腔鏡手術を積極的に導入し、患者様の負担軽減に努めています。
局所進行切除不能膵癌・多発肝転移
他院で手術困難とされた局所進行切除不能膵癌に対しても、抗癌剤治療や放射線治療を施行後に根治切除を施行する集学的治療計画を全国に先駆けて行っています。多発肝転移で手術が困難な病変でも、化学療法の併用や術前門脈塞栓術の併用等により、積極的な肝切除を行う方針としています。
対象疾患
肝胆膵外科においては、肝胆膵疾患を対象としており、常に最先端の医療を目指しています。特に、原発性肝がん、転移性肝がん、胆管がん、胆嚢がん、膵がんに対する手術、抗癌剤、放射線による総合的な治療を行なっています。また、胆石症、胆嚢ポリープ、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵神経内分泌腫瘍(NET)などの良性疾患や境界悪性疾患に対する治療や末期の肝疾患に対する生体肝移植を行なっています。
主な対象疾患 |
肝細胞癌 |
肝内胆管癌 |
転移性肝癌 |
胆管癌 |
胆のう癌 |
十二指腸乳頭部癌 |
膵臓癌 |
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN) |
膵神経内分泌腫瘍(P-NET) |
職業性胆管癌 |
肝硬変(移植) |
慢性膵炎 |
後腹膜腫瘍 |
胆石症 |
胆のうポリープ |
胆道拡張症 |
肝内結石症 |
胆のう炎、胆管炎 |
総胆管結石 |
代謝性肝疾患(移植) |
その他の肝胆膵疾患 |