診療科のご紹介
肝胆膵内科

当科では幅広く肝胆膵疾患に対する最新治療を専門医が提供させて頂いております。
2014年、C型慢性肝炎に対する “インターフェロンを使わない” 経口剤による治療が開始されました。以降、我々は最新の経口治療を提供し、日本有数の治療件数(後述)となっております。
肝細胞癌に対しては、ラジオ波焼灼療法を中心に施行しています。困難症例に対しては、人工胸腹水、fusion画像、超音波用造影剤、エタノール注入、腹腔鏡を日常的に併用し、常に根治性の高い局所治療を目指しています(近畿圏上位の治療件数. 後述)。また、必要に応じてマイクロ波も施術しています。
肝細胞癌に対するカテーテル治療は放射線科、切除術は外科と緊密に連携をとって治療を行なっています。
腹腔鏡下肝生検、腹腔鏡下肝細胞癌焼灼療法では全国有数の実施件数を残しています。
我々は、様々な肝胆膵疾患に対する新規薬剤の臨床試験(治験)も行なっています。
我々は、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌、胆管癌、膵癌の基礎研究および臨床研究に従事し、発症機構の解明と臨床応用を行なっています。
また、2010年のWHO総会で定められた世界肝炎デー(毎年7月28日)のイベント、市民公開講座を行ない、疾患に対する認識を高める活動に取り組んでいます。
肝炎デー
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2015/to7hv3
市民公開講座
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/liver/office/kouza-20141005.shtml
診療(初診等)のポリシー
医療機関等からの依頼(診断・治療等)を基に専門的な検査・診断や治療を行っています。
受診する時には、依頼書(診療情報提供書<紹介状>、検査結果、レントゲンフィルム等)が必要です。
外来受付
・診察場所・・肝胆膵内科 (病院2階)
・診察受付・・9:00〜10:30
・診療時間・・9:00〜16:45
※初診のときは、外来診察担当表をご確認ください。
スタッフ紹介
氏 名 |
担当 |
研究テーマ |
河田 則文 |
肝胆膵疾患全般 |
肝線維化 |
田守 昭博 |
肝胆膵疾患全般 |
ウイルス性肝疾患 |
榎本 大 |
肝胆膵疾患全般 |
ウイルス性肝疾患 |
打田 佐和子 |
肝胆膵疾患全般 |
肝癌局所治療・化学療法・画像診断 |
萩原 淳司 |
肝胆膵疾患全般 |
肝胆膵癌治療・化学療法 |
藤井 英樹 |
肝胆膵疾患全般 |
脂肪性肝炎 |
川村 悦史 |
肝胆膵疾患全般 |
画像診断 |
小塚 立蔵 |
肝胆膵疾患全般 |
ウイルス性肝疾患 |
元山 宏行 |
肝胆膵疾患全般 |
肝線維化・門脈圧亢進 |
小谷 晃平 |
肝胆膵疾患全般 |
画像診断 |
小田桐 直志 |
肝胆膵疾患全般 |
肝胆膵疾患全般 |
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※スタッフ全員が肝胆膵診療の専門家ですが、それぞれに研究テーマを持っています。
当科の得意分野
肝疾患ではB型・C型肝炎に対する抗ウイルス治療を多数の患者さんに実施し、さらに新規薬剤の臨床試験も行っています。肝細胞癌に対しては外科や放射線科と密接に連携をとり、内科局所治療(経皮的あるいは腹腔鏡的ラジオ波焼灼治療等)を施行し、進行例には分子標的薬やカテーテル治療を行っています。さらに肝発癌予防としてインターフェロンや新規薬剤を用いた試みも実施しています。その他、非アルコール性脂肪肝炎の診療、造影超音波、肝硬度検査、遺伝子多型検査、栄養指導にも実績を上げています。また胆・膵疾患では、手術不能の膵癌への化学療法を導入しています。
紹介のポイント
紹介状を持って来て頂けましたら、平日は毎日初診を受け付けています。
肝胆膵疾患に関しましてはもちろん受け付けておりますし、 血液検査上軽度の肝障害を有する患者さまなども気軽に紹介して頂きたく思います。
ウイルス性肝炎に対する直接作用型抗ウイルス薬、核酸アナログ製剤などの治療は、患者さまの状態や肝機能、 ウイルスの状況などに応じて最適な治療法を選択しています。
肝細胞癌につきましては内科的局所療法のみならず、放射線科や外科とも緊密に連携をとっています。患者さまや紹介医の先生と相談しつつ最適な治療法を施行しています。
また、肝移植についてもご相談いただきましたら、 肝胆膵外科と連絡をとりつつ適応を考えるようにしています。
胆・膵疾患に関しましては、肝疾患専門医が毎日対応していますので、お気軽にご紹介ください。
消化器内科とは緊密に連携していますので、内視鏡的な胆道・膵管へのアプローチが必要な場合は、 消化器内科医と一緒に治療にあたります。
対象疾患
当科では、肝疾患連携拠点病院、がん拠点病院として肝胆膵疾患の診療を行なっています。
主な対象疾患 |
急性肝炎 |
急性アルコール性肝炎 (アルコール依存症は対象外) |
胆嚢ポリープ |
慢性肝炎 |
肝のう胞 |
胆嚢腫瘍 |
肝硬変 |
薬物性肝障害 |
急性膵炎 |
肝癌 |
肝腫瘍 |
慢性膵炎 |
自己免疫性肝疾患 |
体質性黄疸 |
膵腫瘍 |
原発性胆汁性肝硬変 |
特発性門脈圧亢進症 |
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脂肪肝・脂肪肝炎 |
胆石 |
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治療例
- 肝炎全般(B型、C型、自己免疫性、非アルコール性脂肪肝など)
- 肝硬変(トルバプタンによる腹水コントロール、ルストロンボパグによる血小板減少症の改善、ナルフラフィンによる掻痒症の改善など)
- 肝細胞癌(ラジオ波焼灼療法・マイクロ波、ソラフェニブ・レンバチニブ・レゴラフェニブ・ラムシルマブなど)
- 胆管癌/膵癌の化学療法(ゲムシタビン・シスプラチン/FOLFIRINOX、アブラキサンなど)
- 急性肝不全の集学的治療
(2016年5月現在)
治療実績(2019年度)
- 肝細胞癌に対する局所治療[ラジオ波:99件、マイクロ波:9件、エタノール注入:3件] 111件
- 肝生検 193件
- 肝細胞がんに対する肝動脈塞栓術・肝動注 213件
- 肝細胞がんに対する全身抗がん剤治療導入 43例
- 慢性C型肝炎・肝硬変への抗ウイルス治療 126件
- 慢性B型肝炎・肝硬変への抗ウイルス治療 31件
- 胆管がんに対する全身抗がん剤治療導入 11例
- 膵臓がんに対する全身抗がん剤治療導入 39例
認定施設
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本肝臓学会
- 日本超音波医学会
- 日本輸血細胞治療学会